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新しい命との出会い〜菜々

菜々は父、母、兄、祖母の元に産まれた。
母はかなり高齢出産だったこともあり
出産は危険な状態だったようだ。
父は待望の女の子と言うことで菜々をとても可愛がった。
菜々もそんな父との出会いを幸せに感じていた時期があった。
父が家にいるときはいつも父のヒザの上に座っているほどの
甘えん坊だったからだ。

しかし、そんな幸せな出会いは長続きはしなかった。

父は待ち望んだ女の子が産まれたにも関わらず
浮気を繰り返し家に寄りつかなくなっていったのだ。
それまで居心地が良かった父のヒザはもうなくなってしまった。
菜々は幼い時期にすでに最愛の人に裏切られたのだ。
父が不在の家計は火の車だったに違いない。

家計を支えなければならない母は家にいることがほとんどなくなった。
祖母が母の変わりに家事をこなし兄が父の代わりをしていた。
菜々はいつも孤独を感じながら成長して行った。
幼いながらにもわがままを言ってはいけないと悟ったのだろう。
それでも親に甘えたいと思う気持ちは消え去るものではない。
父が家に戻らなくなって母は兄を頼りにするようになって行く。
母と兄との間には菜々には分からない大人の会話が増えて行った。

唯一帰宅すると待っていてくれるのは祖母だけだった。
祖母はおっとりとした性格で母とはまるで正反対の性格だった。
本来甘えん坊の菜々は祖母とのんびり過ごす時間だけが楽しみになって行く。
自然と社交性のない子供へと育って行った。

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